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京都府警の女刑事

第3章 迷宮の十字路





東京・大阪・京都で5人の男が殺された。その捜査のため警視庁に綾小路警部と共に来たはずなのに、何故、記者会見の会場の端にいるのだろうか。普段は着ないジャケットを着て。こうゆう場は好きではない。


「捜査の結果、東京・大阪・京都で殺害された5人は盗賊団『源氏蛍』のメンバーであることが判明しました。したがって~」


トレードマークの茶色い帽子を被った警視庁の目暮警部は記者を目の前に話し始める。同じ警視庁の白鳥警部、大阪府警の大滝警部、京都府警の綾小路警部はこうゆう場に慣れているのか堂々と座っている。


「佐藤さん、あの京都府警の綾小路警部は白鳥警部の同期だそうですね」


今回初めて会う警視庁の高木渉刑事は同じ巡査部長だそうだ。純粋で一見刑事には見えない。


「ええ、公家出身で渾名は『おじゃる警部』。ほら左のポケット。ペットのシマリス、いつもつれ歩いてるそうよ。白鳥くん以上の変人ね」


シマリスちゃん可愛い。ポケットから顔を出したシマリスを見てビックリしている高木刑事に返すのは佐藤美和子警部補。相変わらずスタイル抜群だな。にしても変人って。


「やっぱり『変人』だよね」


「あら、空も思っていたのね。上司なのに」


私と美和子の声が聞こえたのか高木刑事の表情はおろおろしだす。


「さ、佐藤さんっ!」


「もう慣れたから気にしなくていいですよ」


にしても『白鳥くん以上の』とはあの同期の白鳥警部も変人なのだろうか。確かに髪型が少し面白いと思う。


そんな会話を小声でしてるといつの間にか記者会見は終わった。フラッシュが眩しい。目に悪い。


「(綾小路警部、時々空のこと見てるわね。もしかして…。)」


そんなこと美和子が思っていたと私は知らなかった。


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