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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第19章 アフター・ダンスパーティー


ふと、何がなんでも掛けねば。と思った、皆にはハイタッチ、私はパイタッチされた事を思い出し、こういう場の雰囲気や久しぶりのテンションの上がった状態からスンッ…と気持ちが落ち着く。

『絶対に技を掛けなくちゃと思った次第』
「……やっぱり大変なのねー」

ふたりの憐れむ視線を頂いてしまった。
いや、だって……人前であれは無いわ。部屋でなら良いけれどさあー…。
スタッフが通りかかり、お酒の入ったグラスを取って私も長テーブルにキープしておいて、と。

そんな気分が落ち着いた頃になって背後から賑やかな二人組の楽しげに会話して近付いてくる気配、そして同じくしてドア側から小走りに、クラスメイト同士急かし合う3人組の声。携帯を手に時間を見れば予定時間があと2分程、という時間まで迫っていた。
野薔薇達よりも先にここに辿り着いてしまったのは最強コンビ、と言われるふたり。
私の肩にぽん、と温かい手が乗せられた。

「ハルカー、こっち向いてみ?」

『……やだ、宝具使ってる気配がする。虚無僧傘被って、どうぞ』

「ダイジョブ。僕、宝具、ツカテナイヨ?社長サン」
『(嘘の匂いがプンプンするんですけど……)』

最後までその引っ掛けに乗るかっ!と振り返らない選択肢を選ぶ。アイマスク取ってキメ顔してる、ぜーったい!私はまだ、今、悟のパーティー服を着てる壁紙に設定した携帯画面も慣れて無くて、未だ長く見てられないっていうのに!
やや意地を張る中、主催者の挨拶の為にスピーカーからノイズが会場内に響き渡る。仕方ない…、主催者が居る方向は私の真後ろじゃない、回れ左の方向だからまだ安全…。
とんっ、と腰に手が当てられる。エスコートされてる時と同じだし特に気にしなかったけれど。
次に悟はする、とその手が下にいき、円を描くように尻を撫で回す。そういう所ですよ……?ん?会場抜けて草薮に頭から突っ込む系の技キメられたいのかな??

声を潜めて、すぐ隣の痴漢に声を掛けた。
『チッ、なにやってんのさ?』
「いや、こんな所にプリケツがあったので?」
『……ムシキングが如く究極必殺わざぶち込まれたいワケ?』

いよいよ、主催者が本日は~…と話を始める。
痴漢行為を止め、ただ腰に当てられる手。ちらちらと悟の顔が入ってきている気がしたけれども構ってはいけない!と私は主催者の話に集中した。
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