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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第16章 覚醒のトリガー


私は明らかに戦闘に向いてない。一年の皆にもこのままじゃ足並みを揃えて行けないし、悟の隣だってこのままじゃ居られない。元から置いていかれながらも、むしろ後退しているような術式達。
今、こうして考える事でこの取り残されたような状況から抜け出せるような気がしている。皮肉にもきっかけはリベルタへの殺意がもたらしてくれた機会なのだけれど。

……どこまでも私の日常を壊す奴らめ。あの脳裏に焼き付いたトラウマは許さない。助けられる命があったのにも関わらず何度でも命を奪い続けた光景。もう永遠に人の命を奪う前の状態には戻ることが出来ない。今でもたまに魘される、ビクッ、とベッドで飛び上がれば汗だくになってる自分が嫌で。
憎い、恨むよあいつらが、私に仕置を続けたあいつも死ぬまで呪い続けてやる。


憎しみを抱いたままに呪力を溜めに溜めた先の消化先、領域展開についてを考えた。
真っ白に染まって死ぬのが嫌なら、ちまちま呪力消費していくか一気に領域展開をするか。
その呪力消費はほぼサポート寄り、領域展開をしたら確かに死者達が大勢いて連れ込んだ相手を打ちのめす。
私の周辺だけって範囲内、わざわざ連れ込む数が制限されるなかでそんな先祖達にバケツリレーみたいな事させて一気に呪力を失うのはあまりにも効率が悪い。春日の一族の死者が増えすぎたってのもあるかも知れないけれど。今の末裔である私が生きる時代にはそぐわない方法。つまりは時代遅れな方法だと思える。

今私が受け継いだ呪術だけじゃない、解釈次第で強くなれるのならばと一族の成り立ちや、領域展開についてを考えて私がなりたい、やるべき呪術についてを解釈した。

私は呪術をついこないだまで知らない世界で真面目に生きてきたよ、でも面倒くさいって思いながら色々と努力をして生きてる。
生きる事を面倒くさいとは思わない。死にたい訳じゃないのに生まれが最悪なことに春日の血だった事。私が生きたいと願うのに、生まれた家系そのものが普通に生きる事が"面倒くさい"家系だった。

なんだよ、死にたくなきゃ領域展開してリセットだなんて。リセット後は呪力がすっからかんとか、領域解除後に反撃のチャンスもない、要介護の非力な呪術師になる。
末代ほど強くて権利があるんでしょ?それは領域内だけだなんて誰が言った?領域外でも通用するんじゃないの?生きてる人間こそが全てなのだし。
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