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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第2章 視界から呪いへの鎹


「僕に近づくハニートラップもハルカが隣に居れば減るし、キミを狙う人も僕を恐れおののくし、Win-Winだろうからしばらく恋人設定でいこうぜ?そのためにも敬称略、禁止ね」

『……はあ?』

ハニートラップ防止って、中身を知った途端に逃げていくって言ってなかったっけ、この人は。トラップだから中身知っていても仕事上だからくっついてくるんじゃないのかなぁ。
奇妙な提案に疑惑の視線を送る。
にこにこと、きっと可愛い子だったら失神するレベルの顔面偏差値。視線を逸らしたいけれど悟は話を続ける。

「意外と僕ら相性良いって思わない?」

『何を急に…』

ぱすん、ともう片手が空いた肩へ。乱暴に片手に持っていた本、一冊が畳に落ちた音。確認するために視線を向ける余裕なんて今の状況には無かった。
両肩に手を置かれて掴まれて、近付く顔と悟側に寄せられる体。自他共に"ナイスガイ"というだけもあって(そして性格も自他共にアレな人ってのもあるけれど)

……やばいやばい、こんなの…全ての女も男も変に意識しちゃうじゃんっ!既に心拍数が上がって、熱が顔や耳を支配していく。
興味と欲よりも自制心が大きく傾く心。私は彼にそう簡単に落ちちゃいけない。

『……っ、』

今回もまた、そのキスを迫る悟の口元を手で隠して押す。顔は直に見ないように逃げるように背けた。
私も悟も、全ての動作が止まる。
それは一体何秒経ったか……心臓がおよそ10回ほど高鳴ったくらいだと思う。唇を覆った相手がなんの反応も無いからそっと視線をキスをしようとしていた男に向けた。
視線がばっちり合うと、隠した手の中で唇が弧を描いてるのが手の平でよく分かる、感じる。

「朝もさあ……僕はね、キミが僕への拒絶かなって思ったけれど…クククッ、ただの恥ずかしがり屋かよ。そんな反応されたらこっちが照れちゃうよねえ…、」

『は、はあっ!?何言ってんの別にそういうんじゃないしー!そうやってすーぐ手を出そうっていうのが抵抗あるってわけで…、
うわっ!?』

肩の手が離れて、もごもごと話してる口元を隠す私の手首を掴んで退かす。私の耳をその指先で触れられて、びっくりして体を跳ねさせてしまった。
意地悪そうに笑った口元が現れた。
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