第6章 Episode:06*
「ごめん。少し散らかってるけど…」
「別に気にしないわよ。それに十分綺麗だし」
部屋の電気を付けて、野薔薇ちゃんを招き入れる。
「は怪我してんだからそこ座ってて、救急箱ある?」
「あ…わたし取ってくるよ」
「いいから、どこ?」
「……そこの棚のうえ」
野薔薇ちゃんの勢いに押されて、救急箱が置いてある棚を指すと野薔薇ちゃんがテキパキと手当ての準備を始める。
「はい。とりあえずこれ怪我してるとこに当てといて」
と、手渡された濡れタオルを受け取って、リビングにあるソファにそっと腰を下ろす。
少し動いただけで身体のあちこちが軋むように痛むものだからどこから冷やしていいか分からなかったけど、とりあえず自分でも腫れてるなと感じる位に熱を持ってしまっている目元に、恐る恐るタオルを当ててみた。
号泣したせいもあってか、あんまり開かない片目だけではなくて両方の目がヒリヒリする。
タオルの冷たさに一瞬痛みを感じたものの慣れてくると心地好くて、ほっと一息吐いた。
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