第6章 Episode:06*
絶えず溢れ出てくる涙は、まるで土砂降りの雨のようだった。
泣きすぎてむせる私の背中を、野薔薇ちゃんが優しく擦ってくれる。
道の真ん中に二人で立ったまま、野薔薇ちゃんは私が落ち着くまでずっとそうしていてくれた。
「歩ける……?」
「うん…ごめんね。もう、大丈夫」
漸く涙が引いてきた頃、野薔薇ちゃんに支えてもらいながら、私が住んでるアパートへと足を進める。
帰ってきたそこは、先程までの煌びやかさが嘘のように静寂しきっていた。
真っ暗な部屋。けど、今日はひとりじゃない。
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