第4章 Episode:04*
久々に歩く、駅へと続く通り、相変わらず人が多い。
けど思いの外足が先へと進まないのは、きっとそのせいだけじゃない。
今から野薔薇ちゃんに会えるかもしれないっていうのに、何でこんなに気が重いんだろう。
すごくすごく会いたいのに、運悪く会えなかったら、別にそれでもいいと思ってしまう。
逆に会えなかった方が、今日の私はホッとするんだろうな。
(……何それ、)
自分で自分が分からない。
本当は私、野薔薇ちゃんに会いたくないのかな?
いや、でも。
野薔薇ちゃんが私なんかのことを気にかけてくれてるって知って、会いたいって気持ちを我慢出来なくなったから、今私はここに居るはずで。
何も恐がる必要はないって昨日虎杖くんが言ってくれたばかりなのに、もう押し潰されそうになってる。
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