第4章 Episode:04*
私の答えに虎杖くんは納得していないようだったけど、話題を変えたくて、無理に話を振ってみる。
「そ、そういえば虎杖くん、今日はどうしたの?私に何か用があったんじゃ……」
「へ?あぁそうだった!」
さっきまでの雰囲気とは一転して、いつもの明るい笑顔を向けてくれた虎杖くん。
ほっと安堵しつつ、話の続きを聞く。
「用っていうか、、最近釘崎がちゃんを超心配しててさぁ」
「っ!、え……」
「中々都合あわなくて遊びに行ってないんだって?ちゃんと食ってんのかなーとか、栄養失調で倒れてんじゃないかなーとか言ってため息ばっか吐いてるもんだから、俺が代わりに様子見に来たの」
もちろん釘崎には内緒でね、と笑う虎杖くん。
私はというと、知らされた信じられない事実に、ただただ呆然としていて。
懐くだけ懐いておいて、自分の都合だけで何も言わずに離れようとした私は、本当に最低だと思うのに。
それなのに、野薔薇ちゃんはこんな私なんかのことを、ずっと気にかけていてくれたんだ。
温かくて甘い。でも少しだけほろ苦さを含んだ何かが、じわりと胸の中に広がった気がした。
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