第4章 Episode:04*
「……つか、ちゃん」
「?」
「さっきの子ら、友達?」
「!っ………」
予想外の問いかけに、一瞬呼吸が止まったような気がした。
目線から先にゆっくりと顔を上げてみると、真面目な表情をしている虎杖くんがそこに居て。
途端に、さっきまですっかり忘れていたことを思い出す。彼に、みっともないところを見られていたんだってこと。
乾いた喉からは、乾いた声しか出なかった。
「と、もだちと、いうか……クラスメイト、なの。だから、たまにああやってふざけて……」
「ふーん……そうなんだ」
「う、うん……そうなの」
私が言っていることは強ち嘘ではないはずなのに、どうしてこんなに後ろめたいんだろう。
これじゃあまるで言い訳だ。
でも、いじめ擬いのことをされてるなんて、絶対に知られたくないと思った。
虎杖くんはもちろん、野薔薇ちゃんにも。
自分の弱さを露見するみたいで、ひどく恥ずかしい。
……自分の弱さが、ただひたすら恥ずかしい。
*