第4章 Episode:04*
虎杖くんも野薔薇ちゃんみたいに沢山食べる人なのかな、なんて思いながら、いただきます、とちびちびスプーンを動かしていると、私の視線に気付いたらしい虎杖くんが、おかしそうに笑った。
「俺の胃は普通だと思うけど。今時の女子だって、この位食べるだろ?」
「えっ……あ、そうな、んだ……」
「そうだよー。寧ろちゃんが少食すぎなの!」
まあ釘崎は俺からみても食いすぎだけどね、と笑いながら言う虎杖くんにつられて私もぎこちなく笑うものの、何で考えてること分かったんだろう、という疑問が心の中に浮かび上がる。
すると、また。
「ちゃんて分かりやすいよなー。ぜーんぶ顔に出てるよ」
「!え、うそ!?…ほんとに…!?」
「うん。素直で可愛い」
「っ……!」
なんて、素敵な笑顔を浮かべたままさらっとそんなことを言うものだから。
冗談にして可愛いだなんて言われたことがない私は、かーっと顔が熱くなってしまって。絶対赤くなってると思ったから、虎杖くんに見えないように慌てて俯いた。
野薔薇ちゃんにしても虎杖くんにしても、何でこんなにいちいち格好良いんだろうと思う。
私と同じ人間じゃないみたいだ。
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