第1章 屋上と横顔
パンフレットを確認して
お兄ちゃん達のクラスに向かう。
「あ、白雲の妹さん!
ミスコンお疲れ様〜!!綺麗だったね~!」
よくお弁当を届けていたので
お兄ちゃんのクラスの人とも顔なじみだ。
「ありがとうございます!
休憩もらったのでクレープ買いにきました」
売り子をしている女性の先輩と少し話をしていると奥の方からひょこっと消太くんが顔を出した。
「あ、消太くん!」
控えめに手を振ってくれた。
わ~エプロン姿、見れちゃった。
ニヤニヤしちゃう。ふふっ。
「チョコバナナ生クリームください!
生クリームたっぷりで!」
売り子の先輩に注文すると
ハイハーイ!と奥の方に行って
消太くんと何か話している。
いろんなところは回れなかったが
消太くんの貴重なエプロン姿が見られて大満足だ。
クレープができるのを待っていると
消太くんが奥からクレープを持って現れた。
あ、エプロン外しちゃってる。
写真撮りたかったのに残念。
「これ、俺の奢り」
どうぞ。とクレープを渡してくれた。
「え、いいの!?」
「頑張ったご褒美」
クレープを受け取るとそのまま消太くんの手が頭に乗った。
「お疲れ」
「…ありがとう!消太くんもお疲れ様」
「俺も休憩もらったから少し歩く?」
「うん!」