第1章 屋上と横顔
「ヘイヘイヘイヘ~イ!!!
楽しんでるか、野郎ども!!!
ついに始まるぜ、ミス雄英コンテスト!
テンションブチ上げて行こうぜぇぇ〜!!」
ステージの上では山田が
【あんたが司会】と書かれているタスキをかけ
マイクもって叫んでいる。
イキイキしてんな。
俺は約束通り、ミスコンを見に来ている。
人混みは嫌いなので後ろの方で観ようと思っていたのに、こんなとこじゃ豆粒にしか見えん!と白雲に前の方まで引きずられてきた。
「すげぇ人だな!」
隣ではクラスの売り物のクレープを
食べながら白雲がキョロキョロしている。
それ食っちゃダメなんじゃねぇか?
「霞、緊張してるかな」
「大丈夫だろ、あいつはああ見えて覚悟決めたら度胸あんだよ。昔から。」
ワアァァァ!!と周りから歓声が上がった。
一番手がステージ上に出てきた。
ついに始まる。
霞は7番目、3連覇がかかっている3年の香山先輩はトリの8番目。
白雲は香山先輩目当てだから俺も最後まで観ていくことになりそうだ。
みんなそれぞれの個性を活かして
パフォーマンスをしている。
霞はどんなことをするんだろうか。
文化祭前はあまり話しをする時間が取れなかったので詳しいことは聞いていない。
ボーッと観ているといつの間にか
6番手が終わって頭を下げ、周りは拍手をしていた。
「次だな!」
白雲は2つ目のクレープに手をかけている。
なんだか俺が緊張してきた。