第10章 玖 柱稽古
帰還後、私は蝶屋敷で診療を受けた
兄弟子の心肺蘇生により命を取り留めたと言うと話がややこしくなるので、血鬼術が解けて治ったとカナエに説明した
「にしてもが鬼殺隊員に横抱きされてきた時はびっくりしたのよ…いつの間にそう言う人がいたのかしら?」
カナエは意地悪そうに私に問い掛けた
『あれは動けなかったから担いで貰っただけで…』
「じゃあそう言うことにしますか。でも、目撃した方々はどう思うでしょうねぇ…」
カナエはにこりと笑うと頬に手をやり首をかしげた
此処に向かう前には朝日も上り、来る途中何人かの鬼殺隊員と隠の人に目撃されていたのだ
私の体力も既に戻り、何度も下ろしてほしいと懇願したが、冨岡さんは離してくれなかった
(良いのか)
そう言えばあの言葉の意味は何だったんだろう
「…恋ね」
カナエはに聞こえない声で呟いた