第9章 捌 廉雪山
「っ!!」
頂上へ辿り着くと倒れている人の中にがいた
傷は見当たらないものの脈が弱い
そして僅かな呼吸が凍るほど冷たかった
血鬼術だろうか、息を最小限にしているお陰で生き長らえてる状態だった
とにかく一刻も早く暖めなければと思い自分の羽織をかけた
そして自分の息を送り肺を暖めていった
血鬼術は解けた筈だが危険な状態には変わりなかった
僅かな呼吸に合わせて息を送り続けた
こいつは死なせない、絶対に救う
あの時俺を助けてくれたように
「!戻ってこい!死ぬな!!」
俺は名前を呼び続けた
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(よろしいのですか、この治療は前例が無くこの先どうなるか…)
(如何なる方法でも私を試せ…雪梛の笑顔を取り戻せるなら)
(承知しました)
ガラッーーー
(…あ…兄上、ゴホゴホッ!)
(無理をするな、今お前が良くなる薬を作っているんだ)
(ほん、と……?)
(あぁ、本当だ。また元気になれる)
(良かった…そしたら、お兄ちゃんも元気に…なるね)
(っ…今は自分の事を考えろ。おやすみ、雪梛)
(うん…おやすみなさい…)
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