第9章 捌 廉雪山
急に驚いた顔をしたと思えば私と距離を置いた
「綺麗に仕留めてやるよお!!!」
血鬼術 焦凍殺
地面が氷で固まり足に登るところだった
私は剣を地面に差した
「怖じ気付いたかあ!!!!」
陸ノ型 最終奥義 雪華繚乱
刀が赫く染まり赤い雪が地面を割りながら舞った
「ぐわぁあぁぁぁぁ!!!痛い!痛い!!!!」
雪は鬼の身体のみを蝕み、溶かしていく
鬼は此方に近づいた際、本体を私の真下に移動させていた
恐らくこのまま取り込む魂胆だったのだろう
そして私はこの時を待っていたのだ
この型は家族が死んでしまったあの日に練習していたものだ
体力の消耗は激しく呼吸により肺が完全に凍り付いてしまうかもしれない
だが周りの人間を守れるなら私は死をも迎え入れる覚悟だ
『私の領域に来てくれたこと…感謝する』
「な"っ…」
ーーーーー解
鬼はまるで雪のように溶けていった
そして私は意識を手放した