第6章 血濡れた面
鱗滝さんに強く肩を握られ、いつもより凄みのある声で言葉をかけられる。
「はい!」
しっかりと返事を伝える。
十二鬼月。今の自分では倒せない強さだと童磨と対峙して痛感した。
もっと鍛錬を重ね、誰よりも任務をこなし、強さにこだわる。この手で十二鬼月を斬る。
美雲の様子を見て、鱗滝さんはそれ以上話を深めることはしなかった。食事が終わるまで他愛のない話をした。
食事の後、満天の星空の下、あの面を鱗滝さんが燃やしてくれた。真っ赤な炎に包まれ、段々と炭になる。舞い上がる火の粉が星空とは違う輝きを見せる。面はすぐに燃えた。その美しさは消え、黒い灰だけが残る。風に吹かれて灰も姿を消した。