第2章 消えた雨粒
(その可愛い顔から食べてあげよう、、、)
俯く美雲の顔がゆっくりと前を向き、童磨と目があう。
涙で潤んだ瞳。白い肌につく涙の跡。助けを求めるようにすがってくる視線。それは、息をのむ美しさだった。
(、、、食べるのは勿体ない)
自身の長い爪で目の前の白い肌を傷つけることのないように、そっと涙をぬぐう。
「美雲。俺のそばにおいてあげるよ。食べるものも着るものも困らせない。美雲のお母さんは鬼になって自由に生きはじめたんだ。美雲も自由になっていいんだよ。苦しみなんてない世界があることを教えてあげるよ。」
~~~~~
【美雲side】
童磨の優しくなだめるような声。
、、、私も自由に?
苦しみなんてない世界、、、
悲鳴を上げ続け、弱っていたこころは救いを待ち焦がれていた。
崩壊しかけた精神の中で美雲は童磨を求めた。
ただただ、童磨に”救い”を求めた___
差し出された童磨の手を美雲は握った。