第10章 恋人同士
「あったかい…。」
「でしょ?」
「うん……何…してたの…?」
「んーっとね、仕事しつつ、テレビ見てた。」
「そうなんだ…。」
「フフッ…うん。」
「…?」
「ん~ん、敬語抜けてくれて嬉しいなぁって。」
「!…」
「名前では呼んでくれないの?」
「…よ、呼べない…。」
「ちぇーっ。」
*
その後はいつも通り、黒河さんとイチャイチャしたり…お互い好きなことをしたりして過ごした。黒河さんと一緒にいるのは全然苦痛じゃない。むしろ楽しいし癒される。
「!…」
ソファーに座ってテレビを見ていると電話がかかってきた。
「ん、友達?」
「う、うん……もしもし…?」
「あ、もしもし?菜月、ごめんね彼氏とのイチャイチャの時間とっちゃって。」
「……用件は何?」
「え、冷た…あ…そうそう、明日の飲み会18時からになったよーって。」
「あ…わかった。」
「ん、それだけ、じゃあ楽しんでね♡」
切れた電話。
「…はぁ…。」
「フフッ…友達なんだって?」
「あ…飲み会の時間変更を伝えてくれて…。」
「…飲み会?」
「明日…友達と飲み会行くことになって…。」
「…それって男いる?」
「いる…みたい。」
「……ん~…。」
「…?」
黒河さんは何か考え込んでいた。