第10章 恋人同士
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電車に揺られて黒河さんの家に向かう。
そしてフロントへ行き、カードをかざした。合鍵を貰った次の日に「渡し忘れてた」と言われ渡してくれた。
合鍵を使い、ドアを開ける。
「お、お邪魔します…。」
「!…は~い!」
ソファーに座っていた黒河さんが立ち上がり、玄関まで来てくれた。
「待ってたよ。」
「ごめん…ちょっと…早く着いちゃって…。」
「全然?嬉しいよ?」
ニコリと微笑む黒河さん。LINEでは18時頃行く。と言っていたけれど、今の時刻は17時。
「!…あけたの?ピアス。」
「う、うん…痛かった…けど…。」
「ん、可愛い。お揃い、俺もあけた。」
「!…」(増えてる…。)
前は左耳にロブ1つと軟骨に1つ。右耳はロブ2連のインダストリアルがあいていたのに、今は両耳にロブ2つと軟骨2つずつ。インダストリアルがあいていた。
「い…痛くなかった…の…?」
「ん~、痛かったかも。」
また微笑む黒河さん。
「とりあえず、玄関寒いでしょ?こっちおいで?暖房ついてるから。」
「う、うん。」
黒河さんはバッグを持っていってくれた。私は靴を脱いでその後をついて行った。