第10章 恋人同士
*
「終わったああああ!!」
「疲れたね…。」
講義が全部終わり、そのまま優衣の家に向かう。
「あけてみる?」
「あ…大丈夫です怖いんで。」
「なんでよ。」
優衣は笑っているけど、自分でもピアスあけたことないのに人にあけるのなんて無理。
「ちゃんと消毒して…マーキングして…。」
「…痛くないの…?」
「ん~、チクッとするくらい?」
「…」(信用できない…。)
ちなみに優衣は左耳のロブに2つ、右耳のロブに1つ、左耳のトラガスに1つあいている。
右耳のロブに1つあけようとしているので、両耳でロブ2つずつになる。
「…」(黒河さんも…あいてたよね…インダス…?なんか…凄い痛そうなところ…。)
ボーっと考えていると、カチッ!という音が聞こえた。
「…!?も、もうあけたの!?」
「え、うん、どう?マーキング通りできてる?」
「で…できてる…。」(い…痛そう…。)
「ん、位置もよし、まっすぐ刺さってるし…あとは…キャッチ取って…。」
「…」
「はい完成!」
優衣は買ってきたピアスを付け、終了。
「はい次、菜月の番。」
「…や…やっぱ怖いよ…。」
「大丈夫大丈夫!痛くないから。」
「それ言う人信用できない…。」
優衣がピアッサーを私の耳たぶに当てた。
「え…ね、ねえ…ちゃんとカウントダウンして…?」
「うん。」
「え、いくよって言って!?」
「うん。」
「え…ねえ」
「ビビりすぎだって。」
優衣に笑われた。