第10章 恋人同士
講義中、基本的にスマホは見ないけれど…今日は気になって仕方がない。
「そんなにそわそわしてても、黒河さんからLINEはきませんよ。」
「!…ま…待ってるわけじゃないし…。」
「ホントに~?」
ニヤニヤしながら私の顔を覗く優衣。
「ほ、ほんと…!」
優衣はクスクスと笑っている。
*
「あぁぁ…長いなぁ…疲れた…まだあと1つ講義残ってるって思うと…なんか憂鬱。菜月と講義被ってるのがホントに唯一の救いだ。」
「私も、優衣と講義被ってて良かった。次の講義までなんかする?」
「お腹減ったから食堂行こ!」
「わかった…!」
食堂に移動し、ご飯を食べる。だいぶ早いお昼。
「ねえねえ、黒河さんとキスした?」
「!……し…した…/////」
「ほうほう…どんなの?ディープ?」
「でぃ…ディープ…?」
「ほら、舌入れるやつ。」
「!……//////」
「したんだ!?へぇ~!」
「き、聞かないでよそんなこと…!/////」
「赤くなっちゃって可愛い~!どう?気持ち良かった?」
「やめてこの話…!/////」
恥ずかしくなり中断してもらった。
「あっ…ちょっと待って電話かかってきた。」
「うん。」
席を離れ、電話に出る優衣。歩きながら食堂を出ていく。
「…!」
どこかで見ていたのか、と疑いたくなるほどタイミングが良かった。
私の彼氏さんからも…電話がかかってきた。