第4章 未来なんて【ジェイ監】※微裏(裏)
「ごめんなさい引き留めて…お仕事中なのに………ぃ!?」
ふわりと先輩が屈んで私の髪を耳にかけた。
「……少しだけ、お待ちいただけますか…?」
「!……はい」
先輩はニコリと微笑み厨房の方へ向かった。
「わぁ…!可愛い…」
「喜んでいただけて何よりです」
貝殻のような小さなお皿に乗せられた、真珠のようなケーキ。
「食べるのが勿体無いですね…」
「そうですか?…では」
そう言った直後、小さなフォークでケーキを一口サイズに切った。
「はい、あーん」
「っ!?」
「ユウさん?」
「いいいいいいいやあの人前では」
「?誰もいませんけれど…」
そう言われて周りを見渡すと、なるほど。店内はもう2人きりだった。
「っ…」
「ふふ。美味しいですか?」
「はい……」
正直、この状況も相まって味なんて分かんないけど…
頷くと、ジェイド先輩は満足そうに微笑んだ。