第4章 未来なんて【ジェイ監】※微裏(裏)
翌日、約束の金曜日になった。
「…さん、ユウさん」
「ひょわっっっっ!?」
お昼休みに急に背後から声をかけられ、思わず変な声は出てしまった。
「ジェ、ジェイド先輩…」
「ふふ。驚かせてしまいましたか…?」
そう言って口元に手を当てて控えめに笑うジェイド先輩。
「…かっこいいなぁ………」
「…!!」
「あっいや何でもないですからっ…ととところで何かお話でも?」
「偶然見かけた恋人が上の空でしたので……思わず。」
ジェイド先輩が私の耳元に顔を寄せる。
その時ざぁっ…と風が吹き、ジェイド先輩のピアスが揺れた。
「———、」
思わず振り返ると、先輩の香りがした。
———アクアマリン。
ふっ…と、何処かへ消えてしまいそうな、
そんな儚い笑顔だった。