第4章 未来なんて【ジェイ監】※微裏(裏)
授業が終わり、辺りが暗くなった頃。
私はある人のもとへ向かっていた。
「…失礼しま……!」
「ちょっと。ノックぐらいしなさいよ」
「し、しましたよ…!」
「あーそれはごめんなさいね。そこらへんに座ってて。」
そう。ここはヴィル先輩の部屋だ。
もちろん浮気というわけではなく、あしたのことについて相談をしに来たのだけれど。
「…トレイ先輩は何故ここに…?」
「あぁ、ヴィルにタルトを頼まれてな。珍しいだろ」
「なるほど…」
ヴィル先輩はトレイ先輩が焼いてきたらしいタルトと紅茶を持ってきてくれた。
「すみませんわざわざ…」
「このくらい気にしないで。…で?」
「えっあっ…相談があって………」
「ふーん…ま、彼氏のことでしょう」
「そ、そうですね…」
チラリとトレイ先輩の方を見ると、なんだか気まずそうな顔をしていた。
「…トレイは居てもいい話なのね?」
「は、はい」
「無理してないか?」
「もちろんです」
「アンタって本当危機感が無いのね…大丈夫かしら」
「?」
「何でもないわよ。本題に入ってくれるかしら」