第2章 変わる未来
心臓を取ると、シーザーが受け取ってさっさと奥へ引っ込んだ。モネも連れていく。俺とみのりが残された。どういう事だ。罠なのか?あぁそれでもいい。生気のない顔をしていてもみのりがいる。
「………みのり」
「………」
名前を呼んでも反応しない。みのりの前に行き、目を合わせようとしたが、生気のない目はどこを見ているのか分からない。何をしても駄目なのかと頬に手を伸ばした瞬間、初めてみのりが反応する。
「触れる事は、許さない」
みのりに触れる前に手が弾かれる。みのりの能力だ。
「みのり」
「あの人以外…私に触れないで」
生気のない目のまま、どこを見ているのかも分からない。それでも、みのりは自分に触れるものを拒絶した。あの人って、誰なんだよ。
「シュロロロ、さてこれで話はおしまいだな。さぁみのりこっちにこ…」
「触らないで」
上機嫌で戻ってきたシーザーが馴れ馴れしくみのりに触れようとして弾かれる。ふん、いい気味だ。俺が触れないのにお前が触れるわけがない。
「ふふ、男に触れられるのが嫌なのかしら。こっちへ来たらどう?」
「触らないで」
「………」
面白かったのか、モネが笑いながらみのりに触れようとしてモネも弾かれる。ドフラミンゴの下にいる時から思っていたが、海賊ってのは馬鹿しかいないのか…?
「別に…可愛い部下達がいるさ…」
「若様がいれば…」
傷付くくらいなら挑戦しなきゃいいのに。しかし、ここまで拒絶しまくるってのはどういう事だ。誰なら触れていいんだ。まさかドフラミンゴなら良いのか…?…絶対に許さねぇ。殺してやる。
そんな気持ちでいると、ふとみのりがシーザーの方を向く。
「私の用事は済んだわ。帰る」
そして、瞬間移動をしたのかみのりの姿が消える。シーザーはさっきの落ち込むがあるとはいえみのりの能力に驚いている様子がない。
「お前らは、あいつの能力をどこまで知っているんだ」
「シュロロロ…逆に、お前はどこまで知っているんだ?」
モネがそっと俺の横へ飛んでくる。そして差し出してきたのは手紙だった。
「あの人からよ」
ドフラミンゴからか。あいつは、一体何をするつもりなんだ。