第2章 変わる未来
何度も何度も悪い考えに苛まれては否定して希望してまた絶望しながら、俺は前に進んだ。そして、やっとパンクハザードまで辿り着いた。七武海になれた時は少し安心した。ここにたどり着いて、大丈夫だろうと自信が出てきた。
「シュロロロ。しかし、ローがここまでやるとはな…」
「何が言いたい」
「あぁいや、別に…何でもないさ…シュロロロ」
後はシーザーに心臓を渡し、俺はモネの心臓を受け取る。それだけだ。それが済めば後はみのりが言っていた通りにすればいい。そう思っていた。だが、シーザーが提示した心臓はモネの物じゃなかった。
「こいつ…みのりっていうんだが、ジョーカーが俺に貸してくれている」
「なっ…!みのり!何でここに…!?」
「おおっと、落ち着けよロー。こいつは今自分で考えて動く事は出来ない。ある合図と命令でしか動かないんだ」
みのりがいる。俺の目の前にいる。だが、目の前のみのりは生気のない目をしている。俺を見もしない。シーザーの言う事が本当だったとして、一体みのりに何をしたんだ。
「シュロロロ、こいつの心臓を取り出してくれたらそれでいい。お前の心臓はいらない」
「なん、だと…」
違う。未来が変わっている。みのりから聞いたのとは違う。これはどういう事だ…。
「…分かった」
ドフラミンゴの奴が俺の弱点だと分かってて連れてきたのか?このままじゃ、俺はみのりから聞いた未来にさえ辿り着けないんじゃないのか?グルグルと押し寄せてくる不安に駆られながらも、俺はみのりの心臓を抜き取る。初めて会ったあの日よりもみのりの反応はなかった。
「…お前に、また会えた…」
それだけでも希望が出てきたんだ。まだ、頑張れる。お前を取り戻す方法を何としても俺は探し出してやる。そしてまたお前の笑顔を見るんだ。俺の傍で、楽しそうに笑う…お前の顔を…!