第15章 夏祭り
─余談
杏寿郎とが帰った後、程なくして花火が始まった。
みんなが花火に夢中になっている中、宇髄だけは不死川に夢中になっていた。
「まさかお前がねえ。
いつからよ?」
「フン、何の話かさっぱりわかんねェな」
いつから?
そんなの俺が知りてェよ。
気づいた時にはもう先に死んじまってたし、また会えたと思えば煉獄のモンだった。
炎柱の継子で炎の呼吸。
風の俺には全く接点がない。
なのに、割と頻繁に任務が一緒になった。
初めは筋が良いな、さすが継子ってところか、くらいだった。
その内、煉獄にもとの手合わせを頼まれたりして会う機会が増えていった。
何が新鮮だったって、俺を全く怖がらない。
かといって馴れ馴れしくもないし、礼儀正しい。
側に居ても心地良い存在になっていった。
それが"始まり"だったんだろう。
「アイツもうすぐ人妻だぜ?
やめときな、サネミチャンよお」
「ハッ、首の後ろに他の男のモンだっつう痕残される女なんか興味ねェわ」
そう言ってグイっとビールを飲み干す。
「…今夜付き合うぜ」
ぽんぽんと肩を叩き、友人の実らぬ恋を成仏させる事にした宇髄だった。