第16章 続・夏祭り
夏祭り以後、部活のみ行われている学校では先生同士も会うことは少なくなり、はもちろん、杏寿郎も不死川と会っていなかった。
「煉獄ゥ、ちょっといいかァ?」
「何だ!」
珍しく、剣道部の活動場である道場に不死川が顔を出す。
杏寿郎も大人だ。
この前の事はおくびにも出さない。
「この前は悪かったなァ。
だいぶ悪酔いしたみてェだ」
頭を掻きながら気まずそうに話す不死川。
「気にするな!とは言えないが、は渡さないというのはハッキリ言っておこう!」
いつも通りの溌剌とした男気のある杏寿郎に、不死川もつい笑ってしまう。
「はっ、お前には適わねえよォ」
大体、がお前から離れねえよ。
宇髄とのヤケ酒よりも、余程スッキリした気持ちで道場を後にしようとすると、さらに杏寿郎が話してきた。
「あの日から子作りを始めた!
不死川!良いきっかけに感謝する!」
言葉通りで、あの日を境に全て中出しになった。
たった1回で孕んでは勿体ないとの杏寿郎の主張で。
せっかく良い感じに話が終わったのに、杏寿郎のせいで台無しだ。
ブチブチ、と不死川の血管が切れる音がしたと思ったら
「そうかよォ!」
と、ドスドスと不機嫌オーラ全開で去って行った。
その後、不死川の通った道に生徒が何人も倒れていたとかいないとか…