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貴方なんて、大っ嫌い【リヴァイ】

第3章 助けてくれたのは




しばらく待っていると、おもむろにドアが開く。

そこには兵長とペトラが立っていた。

……兵長はドアのノックを知らないのか?


「ペトラ、お前は業務に戻れ」

「…了解です」


パタリ、とドアが閉ざされ、
部屋には私と兵長二人だけとなった。


「……お前が、サリー・エンゲルだな」


兵長はゆっくり私に近寄りベッドの横の椅子に座る。

足と腕を組み、私を睨みつけるような目付きに思わず怖気づいてしまう。


「…はい」

「……そうか」


沈黙が流れる。


「……血濡れの天使、って呼ばれてるんだってな」

「………」


皮肉混じりに言ってるのはわかる。

兵長も、その事知ってるんだ…

でもその名前は好きじゃないから、思わずムッとしてしまう。


「…討伐数42、討伐補佐28…ミケ班所属だな?…」

「…はい、」


私がそう言うと、兵長はフッと鼻を鳴らす。


「……お前に言いたいことがあってここに来た」


………思わず顔を上げる。

え、何言われるんだろうか。

なにか…私した?


不安な私を見て、兵長は私をじっと見つめる。


「……お前の実力はまだまだそんなもんじゃねぇだろ」

「……」

「調査兵団は今や熟練兵が新兵に対して少ねぇ。
お前みたいな討伐稼ぎが今後の兵団存続に大いに関わる」


だがな、と兵長は続けた。


「お前は自分のことを過信してると見た。
現にこの間の壁外調査でヘマしただろ」


ぐぅの音も出ない…


「………」

「そんなんじゃすぐ死ぬぞ」

「……そんなこと、言いに来たんですか」


耳が痛い話に、私は兵長に噛み付く。


「………そんな訳ねぇだろ」


吐き捨てるように言った兵長が立ち上がった。


「ミケにお前の指導を頼まれた」

「……は、…?」


リヴァイ兵長が、私に指導?

ミケさんに頼まれた?


「…ちょ、ちょっと待ってくださいよ」


私はミケ分隊長の直属の部下で指導ならミケさんがやればいい。

なのに、どうしてよりによって貴方なの。


私、貴方が………


「手加減は一切しない。覚悟しろ」


冷たく、鋭い目付き。

そんな兵長が、
私は調査兵団に入ってからずっと苦手だ。

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