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【HQ】喧 嘩 止 め た ら 殴 ら れ た !

第2章 夏に濡れ衣ぎを着させたい





「顔にでてる」

 私は視線をスマートフォンに戻し電源と、いつの間にか顔に出ていた感情を必死に消した。
 いつの間にか公園のフェンスに両腕を置いている角名くん。私が先に公園にいると言うのに、敷地内へ入ってくる。

「家帰んないの?」
「……兄弟が、友達連れてきてるみたいだから。居てもどっちも気が散るかなって」
「兄弟いるの?」

 嗚呼、と既視感のある会話に私は諦めとも取れる苦笑いを浮かべた。

「いるよ、下に一人」
「へぇ……一人っ子だと思ってた」
「絶対嫌味で言ってますよね?」
「まさか」

 角名くんがわざとらしく笑った。

「ここら辺にすんでるの?」
「ううん、電車のるよ」

 角名くんが隣の日の当たるベンチに座ると、私は隣に置いていた鞄を膝に乗せてベンチを叩いた。

 いつもより涼しいとは言っても、気温は三十度を超えている。何度も言う、私は別に鬼ではない。
 「ああ、そうなの」なんて聞いたくせに興味のなさそうな返答にやっぱり鞄は置いたままで隣の日の当たるベンチで一回熱中症で痛い目合わせたほうが良かったかもと後悔した。


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