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ゼルダの伝説 時を超えて

第1章 第一章



「ねぇ、スカイ、その女の子だぁれ?」
「ほんとだ!女の子だ!」
「私、ハイリア人の女の子見るの初めて!」
「ときどき来る人たち、男の子ばっかりだもんね」

草の茂みから岩の影から突如として現れた子供たちはあっという間に私達を取り囲み、返答する暇も与えず会話を続ける。

「みんな、落ち着いてくれ。彼女の名前はうろこ。今日はサリアに会いに来たんだ」
「サリアに?」
「どうして?」
「彼女も迷いの森に行くの?」
「王女様からの命令だよ。従わないわけにはいかない」
「遊べないの?」
「そうだよ。少しくらいなら遊ぼうよ」

こちらを見て懇願する子供たちに少しならと思ったのだが、それすらも遮るように彼は私の前に立って首を横に振る。

「ダメだ。急ぎの用事だから」

彼がハッキリそういうと、子供たちは互いの顔を見合わせ頷いた。

「スカイがそういうなら、わかった」

中央を陣取るミドがそう答える。

「その代わり、俺がサリアのとこまで案内してやるよ」
「助かるよ、ミド」
「いいさ!スカイと俺の仲だからな!」

ハイラル平原では蒼く煌めいて見えた彼の瞳はまだ暗い。

「こっちだ!ついて来い!」

周りの子供たちが進む道を開けてくれる。彼らはついてこないらしい。

「彼女たちは?」
「コキリ族にとっても迷いの森は危ないんだ」
「ミド、くんはいいの?それに、サリアちゃんも」
「サリアとミドは特別だからな」
「特別…」

走ってはまた止まって私たちが来るのを待っているミド。その後ろを彼は黙ってついていく。迷ってる暇もなく私も歩みを進めたが、なんとなく後ろを振り返ってしまった。
こちらをジッと見ている少年少女たち。子供だけの種族だと前々から聞いていたけれど、本当に親はいないのだろうか。子供達しかいないなんて異様な光景だ。

「うろこ」

彼に呼ばれてハッとし、私は再び前を向く。

「ほんとに…そそっかしいな」
「ご、ごめんなさい」
「いいよ。気になるよな、あいつらのこと」

満面の笑みで走るミドとそれを羨ましそうに見つめる子供たち。
皆、同じ緑の服を着て…

「っ…!!!」

彼らの隣を羽ばたく光玉にある光景が浮かんで消えた。
金髪碧眼の少年が光玉を見て喜ぶ姿。

「これは…」

ハイラル城のときと同じだ。見たことがないはずなのに知っている光景。

横切った木の家の主は行方知れず…
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