• テキストサイズ

もう一度、あなたと【リヴァイ・エルヴィン】

第6章 生きる意味を~数年後の自分~


「一つ目なんだが、リヴァイと知り合いだったのか?」

「えっと…」

「いや、言いにくいならいいんだ。強要はしないよ」

「いえ、話せます。リヴァイとは幼いころ1年だけ一緒に暮らしました」

「そうなのか…。では、二つ目。リヴァイとはどんな関係なんだ?」

どんな関係…?

家族…?

いや、少なくともリヴァイはそう思っていなかったはず。

今の関係で、いい。

「ただの…上官と部下です」

「今じゃない。昔は…どんな関係だったんだ?」

「…わかりません」

「…そうか」

エルヴィン団長が、オレとの少し開いていた間を詰めて座りなおした。

「最後の質問だ。君は生物学的には、女だね?」

「…はい」

急に暖かい何かに体を包まれた。

エルヴィン団長に抱きしめられたのだ。

「すまない。こんなつもりで来たわけじゃないんだが、少々抑えがきかなかった。しばらくこのままでもいいか…?」

何も答えず、エルヴィンの背中に手をまわし、抱きしめ返した。

暖かい。

エルヴィンは兵服を着ていたままだったがとても、暖かかった。

他人の体がこんなに暖かく感じたのはいつぶりだろうか。

「もう、少し。このままで…」

「あぁ…」

しばらく抱き合った後、エルヴィンはおやすみと言って帰っていった。

エルヴィンが座っていた場所が寂しくなった。

オレはこんなに寂しがり屋だっただろうか。

いや、いつも誰かがそばにいるのが当たり前だったから。

リヴァイと一緒に過ごして、"愛"の存在を知ってしまったから。



「…寂しい」

誰にも言えない満ち足りない気持ちは、牢の冷たい空気に溶けていった。


どうしようもない気持ちを捨てられないまま、睡魔に身を委ねた。




/ 46ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp