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【まじっく快斗】【コナン】満月の夜に

第2章 オレはもうぼっちゃまじゃない



「おーここだよここ」

「へぇ。オシャレな…カフェ?」


確か快斗はうめーアイス屋がある、と言っていたはず。

外から覗いた店内は、中世ヨーロッパを思わせるような調度品が置かれ、テーブルごとに花が挿してあるその雰囲気は、アイス屋というよりカフェと言ってしまいたいほど。

よく見ると店内の装飾だけではなく、中にいるお客さんの手元にあるのもティーカップにしか見えないこともあり、通りすがりの誰に聞いてもカフェと答えそうな雰囲気を出している。

扉に手をかけた快斗を頭にハテナが浮かんだまま見ると、まぁまぁ入ってみな?とウインク付きで店内へと促された。


「わー美味しそう…!」


店内に入りショーケースを覗くと、ジャモカコーヒーやグリーンティー、アーモンドミルクとカフェならではといわんばかりのフレーバーが並んでいて。


「な?アイスうまそーだろ?」


ショーケースに食いつき、さぁどれを食べようかとそればかりを考えていたところに聞こえた声の主を見ると、肩を震わせ笑いをこらえている。


「なっ…なんで笑ってんの」

「いや?だってオメー、子どもかってくらい目ぇキラキラさせてんだもん」


かーわい、と目を細めた快斗の視線に耐えきれず、慌ててショーケースへと顔を背ける。

かっ…かわ……え、なに……
なんか…昔と違う…!変!

会わない間に随分と大人っぽくなってしまったらしい幼馴染に慣れず、動揺してしまう。


「か…いとは、何食べるかもう決めたの!?」


快斗の顔が見れずショーケースに向かって声をかけると、ん?オレはもちろんクリスプチップチョコレート、と語尾に音符が付きそうなその声音は、チョコアイスが好きなのは昔も今も変わらずのようで少し安心する。

じゃあそれと、グリーンティーお願いしますと店員さんに告げ、財布を出そうとすると横から伸びてきた手に制された。


「ちぃっと遅くなったけど、おかえりっつーことで」

「え!だめだよそんな…」

「いーからいーから。それより席取っててくれるとありがてーなぁ」


な?と口の端を上げる快斗にうまい言い返しが見つからず、お言葉に甘えるべくありがとうとお礼を伝えて空いている席を探しに行く。

ティータイムというには少し遅い時間のような気もするが、ほとんどの席が埋まっているところからこのお店の人気具合が伺えた。

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