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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第23章 バレンタインデー


大倶利伽羅さんがケーキをさしたフォークをこちらに向けてきたので、え?と困惑していると、ツンツンと口に当ててきてこちらをじっと見ながら首を少し傾げている。
えっと、食べさせてくれるの、かな…?

動揺しながらそっと口を開けるとケーキが口中に入ってきた。

物凄く恥ずかしい…味なんて分からない程に恥ずかしい。ゴクン、と飲み込むと二口目が差し出された。


「あの…恥ずかしいのでもう…」

「…」


そう言っているのに、大倶利伽羅さんは聞く耳を持たずまたもやツンツンしてくる。仕方なく口を開けるとそっとケーキを入れられる。
端正な顔でじっと見られながら食べさせられるこっちの身になって欲しい。

仕返しとばかりに、もう一つのフォークを手に取り、ケーキを一口サイズに切って大倶利伽羅さんの口の前に差し出してみた。


「俺はいい…」


照れているのかぷいっと目を逸らされて、ぶっきらぼうに返された。


「ああっずるい!はい、あ~ん」


わざとらしくニコニコと笑顔を振りまきながらフォークを差し出すも、口を開けないので、負けじと私がされたようにツンツンと口に当ててみる。


「…チッ」

「あっ!舌打ち駄目ですっ」


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