第13章 〜真実〜

『そんなにキャーキャー言われるかな、僕？
でも、もしそうだとしても意味ないよね。
だって、一番モテたい人にモテないんだから
上杉さんもでしょ？』
フッと笑う光成。

『えーっ、岩田君と私は違うよー。
私が人生初モテたのは、岩田君にだけだよ。
岩田君ほどモテないし、それに自分の気持ちを
伝える勇気も私にはないもん』
（モテモテなんかじゃないのに・・・
あんなふうに言われるとは、思わなかったな）
と、寂しそうな顔をする桜奈。

（自分がモテるって自覚が全くないんだ
上杉さんて・・・）少し呆気にとられた
光成だったが、
『僕も本当は、告白なんてはまだ
するつもりなかったんだけどね。
なんだろう？勢い？タイミング？』と
思い返しながら、自分の突発的な行動に
自分でも驚き、それなのに後悔してない
自分がいることにまた、驚きながら
クスッとし

『確かに、想像してたのとは違ったけど
僕は、気持ちを伝えられて良かったと
思ってるよ。
そのお陰で、今は以前よりもっと
友達としては距離が近くなった気がするし。
だからね・・・』
と、桜奈に手を伸ばし握手を
求める光成。

光成をみながら、キョトンとしたまま
反射的に握手に応える桜奈。

『今日は、ほんとにありがとう。
上杉さんも、頑張って！友達として
応援してるよ！』と優しく微笑む光成。

『こちらこそ、ありがとう！岩田君。
友達として、これからも宜しくね』
と、光成の優しさが身に染みる桜奈。