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また、恋してくれますか。

第13章 〜真実〜


いつも冷静で、落ち着き漂う雰囲気の光成。
その雰囲気通り、自分の感情に
鈍感な部分もあったが、普段はあまり
動じることもなかった。でも桜奈に
恋したことで、心が乱れる感覚を知った。

断られた今も、分かっているのに
自分ではコントロールできない
感情があることを初めて知った。

そんな自分に驚いてもいた。
自分がこれほど感情に左右される
人間だとは、微塵も思っていなかった
からだ。

それくらい、桜奈と一緒にいた
時間は満たされ、同時にこの時間を
独占できないやるせなさも心を覆う。

『上杉さんとも、いっぱい話せたし
想いもちゃんと伝えて、ちゃんと
断ってもらったし、友達でいてくれるし
うん、いい1日だったよ。
僕も凄く、楽しかった!
付き合ってくれてありがとう』
優しく微笑む光成は、眩しいくらい
爽やかだった。

『こちらそ、そんなふうに思って
もらえてたのは、凄く嬉しかった
なのに、気持ちに応えられなくて
ごめんなさい』と頭を下げる桜奈。

『気にしないで、僕達は、お互い
マイペースだから。友達としては
分かり合えるのかも。
なんせ、天然仲間だしね!』
と、いつものキラースマイルとは違う
無邪気な素の笑顔は、これまでで一番
輝いていた。

『ふふ、岩田君が皆んなにキャーキャー
言われるわけが、分かった気がする』と
何気なく呟く桜奈。
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