第13章 焦燥
リヴァイside
リヴァイ「クソッ、長引きやがって...」
めんどくせえ会議が終わって、兵舎に着いた頃には空はとっくに真っ暗になっていた。
食堂の明かりが見えて、中に入ると、
オルオ「なあ、聞いたか?朝、食堂にいたやつが言っていたんだが、リンが何やら化粧をして、女らしい服を着て出掛けて行ったらしい」
グンタ「あぁ、俺も見ていたが、さすが希望の妖精と呼ばれるだけある。普段も綺麗だが、今日は一層美しかったな。シナにどこに行ったのかを聞いて見たら、どうやら男の元へ行ったらしい。」
ペトラ「リンも年頃だし、デートくらいしますよ!私も、朝、兵長の馬を用意しているときに、リンが男の人の馬車に乗って出掛けるのを見ましたし...男の顔までは分からなかったけど、リンがそれほど気合いを入れてたのなら、よっぽど、その人のことが好きなんでしょうね!」
オルオ「ところで、ペトラ。俺はいつでもお前をデートに誘う準備ができて...」
ペトラ「あ!兵長!!お疲れ様です...!!」
グンタ(オルオどんまい。)
リンが着飾って、男と出掛けて行っただと...?今日は会議で遅くなるから紅茶はいいと言っておいたが...
ペトラ「あっ......兵長!!!」
俺は、思いつく限りの場所を探した。だが、リンはどこにも見当たらなかった。
リヴァイ 「もうこんなに暗くなっているというのに...!!」
焦りでおかしくなりそうだった。どうして自分がこんなに掻き乱されているのか分からなかったが...今はとにかくリンを近くで感じて、安心したい、それだけを思った。
しかし、その日のうちにリンが帰ることはなかった。