第16章 約束
ミカエルside
「...という、訳なんです...。」
私が全部を話し終わると...。
リヴァイ「....。ぷっ、くくっ、お前は、俺が思っていたより弱くはなかったようだな。力はなくとも、医療の知識を武器にして逃げてくるとは...。だが、本当は怖かっただろう...お前はよくやった...!」
リヴァイ兵長は優しく笑って私の頭を撫でてくれた。私は心から良かったと思えた。
「...伯爵が迫ってきたとき、本当は怖くて、どうにかなりそうでした。私はここで汚れてしまうんだって思ったとき、今まで私を助けてくれた人たちの顔が浮かんだんです...。だから、私は一人じゃないから、自分を諦めちゃダメだなって思ったんです...。それに、リヴァイ兵長とも約束したから...。」
リヴァイ 「...そうか。お前は、俺との約束をしっかり守ったんだな...。」
リヴァイ兵長はもう一度私を抱きしめた。
リヴァイ 「だが、俺に冗談を言うとは、お前も偉くなったもんだな?」
兵長は思い出したかのように、あからさまに不機嫌そうな顔を作って言った。
「す、すみません...。でも、本当に嬉しかったんです。」
リヴァイ「...今回だけ、許してやる。だが、これから先も自分を大切にすると約束しろ。」
「はい。これからはもっと自分の力を信じて、改めて命と向き合っていこうと思います。人類の自由のためにも、私自身のためにも。」
リヴァイ「よし、帰るぞ。馬を置いてきちまったから、そこまで歩きだが...。」
「はい!行きましょう!」
兵長と帰る頃、辺りはもう真っ暗だった。
ミカエル「全く、馬をどこに止めたか覚えてないなんて...。」
リヴァイ「...うるさいぞリン。そもそも、お前が...
...!!!リン!!危ない!!」
兵長の声がして、兵長に押され倒れた。
「リヴァイ兵長!!!!」
リヴァイ「大丈夫だ...。だが、何か液体をかけられた...。クソっ、右目が開かねえ...。」
匂いや状態からして、酸性の液体のようだった。
リヴァイ「リン...。俺の側から離れるんじゃねえぞ...。」
「兵長...!!」
犯人はすでに立ち去ったようで、辺りはしんとしていた。
私は急いでリヴァイ兵長をのせて、馬で兵舎に戻った。