第14章 初恋
エレンside
アルミンが突然何を言いだしたかと思ったが、アルミンの読み通り、リン・キーン副隊長はミカエル姉さんだった。
7年前...俺は憲兵のやつらにみっともなくボコられて、敢え無くミカエル姉さんをあいつらに連れて行かれた。
姉さんからある程度の話を聞いて、悔しくて堪らなくなった。ガキだったから仕方ないといっても、あの時の姉さんもまだ子どもだったんだ。どれだけ辛い思いをしてここまで来たのか...俺はミカエル姉さんを守りたかった...。
母さんと父さんのことを聞いて、ミカエル姉さんは子どもみたいにわんわん泣いた。姉さんは、私も側にいればよかったのにって言っていたけど、俺は姉さんが生きていた、それだけで十分だった。
目の前で子どもに戻ったみたいに泣く姉さんを見て、調査兵団の医療部隊の副隊長をしているのがちょっと不思議に思えたが、姉さんが父さんから教わった医学を生かして働いていること、巨人を倒す調査兵団を支えていることを知って嬉しかった。
エレン「泣くなよ。今度こそ俺が守ってやるから!!」
そう言った俺を姉さんは抱きしめて、
「ううん、今度は私がみんなを守るわ」
と言った。
ミカエル姉さんが自然と俺に頼ることができるように、俺はもっと訓練を積んで強くなろうと思った。104期生の解散式まであと1年半...。必ずここに残って、姉さんがいる調査兵団に入団してやる...!!そして、巨人を駆逐して姉さんのことも守ってやる...!!
小さな芽が蕾になり、目的意識という力に変わった。いつか、大きな花となる頃に彼はこの種の名前に気づくのだろうか...。