第2章 一章 一節
ふっ、と目が覚める。カーテン越しで見るが、辺りは暗かった。まだ深夜なのだろう。彼女は再びベットに潜った。
ー数時間後
ガシャーン!!皿が割れたような音が聞こえた。余りにもビックリし、屋敷の人達が音の鳴った場所に駆けつける。そこには、彼女の姉。この屋敷の三女、桐生院ミカが血を流し倒れていた。近くには花瓶が置いてあった。おそらく、これで殴って殺したのだろう。
「ミカ!ミカ!!」
この家の当主、彼女の母がミカに駆け寄り、泣き崩れていた。彼女は近寄ろうとも、遠ざかろうともしなかった。ただそこにあるモノになった姉を、じっと見ていた。
「誰がこんなことを・・・」
「可哀想に・・・」
次々に大人達は悲しみの気持ちを言う。ー意味がわからなかった。だって、ミカは、意地悪姉様だったから。そんな彼女を母は見て、こういった。
「・・・アンタは、なんで実の、唯一の姉が、死んだのに悲しまないの!?あんなにいい子だったのに…!」
それは外面であって、裏では全く違う。ミカは彼女に日頃のストレスをぶつけていたのだ。
(あんなモノ、どうやって悲しめと言うの?)
言いたかったが、面倒くさくなりそうだったので、言えなかった。
翌日は、姉のお通夜が行われた。彼女だけ、泣かなかった。
その翌日は葬式が開かれた。やはりこれも、彼女は泣かなかった。
親戚の人は、コソコソ何か、言ってた。気が付いてないフリをしたが。
ー思えば、この時から狂ってきたのだろう。この後、始まる復讐は誰も予想してなかったのだからー
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