• テキストサイズ

出水と太刀川さんと風間さんに挟まれる話。【ワートリ】

第7章 第7話


「なぁ、伊吹ってそこの女子さ」

一限が始まってすぐ米屋が後ろを振り向いて話し始めた。

「…なんだよ?」

「あいつ見た目すげー地味だけど顔かわいいぞ」

…何を言い出すのかと思えば。

「だからなんだよ」

「いや見てみろって。メガネかけててわかりにくいけどありゃあ外したら美人なタイプだ」

…やっぱり監視役を日向に任せたのは失敗だよ忍田さん。

どう考えてもこういう虫が付く。

「へーへーそうかい」

「いやまじだって。大人しい奴だけどさっきみたいに話しかけたら普通に話すし笑うと可愛かったぞ」

そんなこと知ってる。

ついでに言うと、慣れてくると軽く下ネタまで言う。

「俺今日あいつと昼飯食おうかな」

「…!」

「弾バカも来るか?」

…………………………………。

「…ひゅ………いぶきに聞いてから決めろよ。俺はいい」

「ありゃなんで?お前可愛い子には目ないだろ?」

「…俺がいない方がアタックしやすいだろ」

嘘だ。

本当は同行したいどころか俺が日向と二人きりで食いたいね。

…そんなことぜってー言えねーし誘わねーけどな。

きっと日向と二人きりで飯なんて食ったら飯の味わかんねーよ。

緊張で。

「お!そういうことならお言葉に甘えるとするか。まあぜってー素顔可愛いからお前も後で見ろよ」

素顔どころか粧し込んで酔った日向を俺は見てるからな…と思ったが、そこは当たり障りないよう返事だけしておいた。
/ 61ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp