第8章 餓え
数時間が経った頃、ベッドに横になっていたウィーダが目を覚ました。
ウィーダ:「……?オレ、何してたんだっけ……?」
そう言いながらベッドから降りようとすると、左腕に激痛が走った。
ウィーダ:「いっでぇーー!?!?」
思わず大声で叫び声をあげると、部屋に向かって走ってくる音が聞こえた。
バンッ!
息を切らしてドアを開けたのは
ウィーダ:「わ、わりぃっ!ガイタス!起きたらめっちゃ利き腕痛くてさ、思わず叫んじまったんだ。」
走ってきたのはガイタスだった。
焦るように叫んでしまったことを弁解するウィーダを見て、安心するようにため息をついたガイタスは事の成り行きを説明した。
ウィーダ:「ま、待ってくれ……。イリアは?キサラは?生きてんのか!?先ずはそこを聞かせてくれっ!」
ガイタス:「生きてる。ただ、キサラは暫く眠っているかもしれないな。」
「マジかよ……。」と、顔面を手で押さえて自分がやってしまった事を酷く後悔するウィーダにガイタスは声を掛ける。
ガイタス:「…。キサラとイリアが目を覚ましたら、何か奢ってやれ。きっと喜ぶぞ。」
ウィーダ:「……。あぁ。全力で楽しませるぜ……。」
ふと、そこで会話の中にマルクが出てきていない事に気付いたウィーダはガイタスにマルクの事を聞いた。
ウィーダ:「そう言えば、マルクは何処にいるんだ?もしかして、オレ……。マルクまで……?」
「そこそこ派手にやってくれたよ。おかげで服はボロボロになった。」
声のする方に視線を向けると、服は盛大に破け、綺麗な顔には何か所も切り傷がついているマルクが立っていた。