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【黒執事】スノードロップ【死神・裏】

第5章 真実への道


そう言ったロナルドは、自分の膝に手をバサッと置いた。

「明日の仕事、お昼過ぎで終わる予定なんだよね。その後、どう?」
「急だな……」
「だけど、もう時間はあんまり残されてない」
「……確かに」
「まぁそんな気を張らずに、いつも通り俺の仕事について来るつもりで良いよ」



そしてその翌日の午後、私はロナルドと道の端で地図を広げていた。
私の家があるはずの場所を探す。

「あぁ、この辺ね。俺の担当地区じゃないけど、増員として駆り出されたことあるな」
「ここから近い?」
「近くはないけど、俺ならすぐだよ」
「あ、待って」
「どうした?」
「もし、ロナルドが良ければ、なんだけど」
「うん」
「いつもの感じじゃなくて、普通に行ってみたいなって思って」
「普通に?」
「うん……鉄道とか使って」

ロナルドは少し考えていた。
それを見た私は、慌てて取り消そうとした。

「大変だよね、ごめん。いつも通りで大丈夫」
「いや。いいね、それ」
「え?」
「なんつーかその……」

ロナルドは私から目を逸らして言った。

「なんか、デート……みたいじゃん?」
「デ……」

私は目を見開いて、硬直してしまった。

「……あれ、クロエ? 大丈夫?」

声を掛けられ、ハッと我に返る。

「だ、大丈夫です」
「なんで敬語?」

ロナルドは笑った。

「笑わないで」
「ごめんごめん。いやー、やっぱり可愛いなって思ってさ」
「からかったの……? だから、そうやって子ども扱いしないでってば」

少し眉をひそめたロナルドは、少し間をあけてから呟いた。

「クロエがそう感じるなら、しょうがないのかな」
「……何?」
「んー? こっちの話」

そう言ったロナルドの表情は、どことなく切なさを感じた。

行く途中のブティックで、二人の上着を購入した。
街を出歩くには、私達の格好では肌寒かったのだ。
ロナルドは黒のコートに同じ色のハットを被り、私にはキャメルのコートとグレーの手袋を選んでくれた。

「うん、良いカンジ! クロエめっちゃ似合ってるじゃん。さすが俺チョイス」

ロナルドは私をそう褒めてくれるが、彼のその姿もとても素敵だと思った。
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