第29章 学園祭の時間②
学秀『まぁ、当日のドリンクなんだが…。』
『うん、学秀に言われた分と、あと予備にこれだけ用意してる。で、あっちに…。』
生徒A『なぁ、誰かE組に行ってこの紙渡してきてくれないか?エキシビションの件、向こうのファックスの調子が悪いみたいで届かないんだ。』
『じゃあ、私、行ってくるよ。先生に渡すだけでいいんでしょ?』
学秀『大丈夫なのか?』
『うん。じゃ、ちょっと行ってくるね。』
私はE組校舎への山道を登る。
ついこないだまで歩いていた道が、なぜかもう懐かしく感じる。
校舎前でひなのと桃花、杉野君が作業をしてる。
ひなの『まぁ…。どうしてここに。』
『ひなの。実はファックス調子悪いらしくてこの紙を届けに…。』
桃花『カルマ君と喧嘩して戻ってきてないんだって?カルマ君、口は悪いけど心配してると思うよ。
声、かけてあげたら?』
『でも…。』
杉野『ほら、カルマの意地っ張りに妹パワーをお見舞いしてやれ!!
カルマー!!!まぁちゃん来たぞー!』
『ちょっと、杉野君!』
カルマ『えっ…?』
杉野君の声に、磯貝君や前原君、E組のみんなが集まってくる。
磯貝『まぁ!ほんとにすまなかった。俺のせいで…。』
『磯貝君のせいじゃないから、頭上げて!』
磯貝君が頭を深く下げる。