第6章 接近戦
声のする方を向くと、そこには不二が立っていた。
羅夢音は不二に見られたと気づき、戸惑った。
「あ、いや、これは…その…なんというか…」
羅夢音が言い訳しようとしていると、不二が羅夢音のスカートのすそを掴んだ。
「そんなことしてると……見えちゃうよ?」
不二は掴んだスカートのすそを少しめくった。
羅夢音は予想もしていない不二の行動に、どうしていいか分からなかった。
「ふ…不二先輩!?//」
「クスッ…ピンク…でしょ?」
不二は羅夢音の耳に顔を近づけて言った。
「な……///」
羅夢音の顔はみるみる赤くなっていった。
そして、顔を背けた。
すると、不二が羅夢音を後ろから片手で抱き締め、公民の参考書を取った。
「届かないなら、僕に言ってくれて良いのに…。参考書のある場所を見つけてくれただけでもありがたいよ?」
と言って、羅夢音の顔を向き合わせた。
「さっきはまわりに人がいなかったから良いけど…もし、男がまわりにいたら…反応しちゃうよ?」
不二はおでこを羅夢音のおでこにくっつけた。
「っあ…先輩……?」
ーだから、これからはもう少し考えて行動してね?ー