第2章 不思議な日
「不二先輩……、ありがとうございます……。」
羅夢音は、さっきあったことを不二に全て話した。
その間、不二は静かに羅夢音の話を聞いていた。
「…………それで、今の私がいるんです……。」
羅夢音が話を終えたのは、およそ30分後だった。
「羅夢音ちゃん……大変だったんだね……少しは落ち着いたかな……?」
不二が羅夢音に向かって微笑みながら言った。
延各:「はい……。先輩のおかげです……。ただ……。」
不二:「まだ何かあるのかい?」
延各:「いえ……その……私……何も悪いことしていないはずなんです……なのに……どうしてあんなに言われるのかな……って思ったんです……。」
不二:「……君が気にすることはないよ。羅夢音ちゃんは、自分のやるべきことをやればいいんだ。もっと自分に自身を持って。」
延各:「不二……先輩……ありがとう……ございます……」
不二:「それから、越前に近づくなって話だけど……忘れて良いと思うんだ。羅夢音ちゃんは悪くないんだから……。」
延各:「……はい……。」
その時、羅夢音の目には、涙が浮かんでいた。
……こういう時は、泣いていいんだよ……
……と、不二が言った。