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モデルのボーダー隊員【ワールドトリガー】

第13章 餞別


*迅視点

明希が眠って15日。そして、明希が目覚める日。
朝からソワソワしっぱなしの小南が俺に問う。

小「ねぇ迅!何時頃に目覚めそう?」
俺「そこまではわからないよ。でも、確実に昼までには目覚める」
小「そう...早く会いたいわね」

少しシュンとした小南の頭を撫でる。俺も早く会いたい。
そう思った時、モニターを見ていた宇佐美があ!と声を上げた。全員が慌てて宇佐美の所へ駆け付ける。

小「どうしたの栞!」
宇「さっき、ホンのちょっとだけ手が動いた!」
俺「本当か!?」
宇「間違いないよ!」
木「全員、本部に向かうぞ!」
『はい!』

そこからの行動は早かった。戸締りを全員で手分けした後、即座にトリオン体になって本部に走った。
俺はすぐにボスに連絡して、奥の部屋に通して貰えるように頼んだ。城戸さんは最初の方は渋っていたけど、自分も明希に会いたかったのか最終的には許可してくれたようだ。

本部についても俺達の走るスピードは変わらなかった。上層部直通エレベーターに向かう際に今回集まるメンバー...諏訪さん・小佐野・風間さん・太刀川さん・二宮さん・嵐山隊・18歳組・17歳組に見つかって色々聞かれたが、「事情はエレベーターに乗りながらにしてくれ」とレイジさんが言うと全員黙った。流石レイジさん。
全員がエレベーターに乗れるか不安だったが、なんとかギリギリ入った。そして、出水が真っ先に問う。

出「藤咲について話してもらえますか?」
俺「...明希は今、本部の地下にいる。地下には遠征艇しか無いだろうと思うのが当たり前だが、城戸さんや忍田さんたちがその更に下に明希専用の部屋を作っていたんだ」

全員が驚く。これは俺しか知らない事だから仕方ない。

迅「知ってる人もいると思うが、明希には"人の心を読むSE"と"自分の心を読ませるSE"がある。それのせいで俺のSEが働かない事がしばしばある。影浦や鋼もそうじゃないか?」

心当たりがあるのか、2人が僅かに反応する。

迅「詳しくは言えないが、今回はそれの暴走で暫く眠っていたんだ。そして、今日...明希が目覚める。だから俺達が本部に来た。ここにいるみんなで明希が目覚めるのを待とう。その方が明希も喜ぶ」

話し終わるのと同じ時にエレベーターが止まる。全員で城戸さんの部屋へ行く。

後数分で明希に会える。その事が嬉しくて、全身が震えた。
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