第6章 2人の距離 6
その後は順調に巻きめに終わり早くいけ!早くいけ!と言う楓ちゃんに急かされ帰り支度をして自分の車に乗り込んだ
由梨に連絡するとまだ外にいるみたいでガヤガヤと雑音がする。
「終わったけど、俺車だし迎えに行こうか?」
そう言うと何故かフッと笑う由梨
「大丈夫です。タクシーで帰ります。」
その声は泣いた後の声で心配になりながらもさっきの笑った後のギャップに思わず笑ってしまう
「あなた、笑うか泣くかどっちかにしなさいよ」
何で?!と言う由梨に、声で分かるわっ。と突っ込んだ。
「とりあえず、なんだっけ?輝さん?いんでしょ?代わりなさいよ」
え?…はい。と意味もわからなずな声の後、え?俺⁈とびっくりした男の声
こいつが輝か…
「どーも。輝さん?」
俺がそう言うと、はい。と答える
「今日はありがとうね。あ、ごめん。由梨と付き合ってます。二宮和也です。あれ、嵐の。」
そう言うとガタッと言う音と「ええっ!!マジで!!」と言う耳が痛くなるくらい大きい声を出す輝
「フフッ。輝うるさいよ。」
すみません。と静かになる輝
もはやさん付けはいらないなと察する
「さっきも言ったけどありがとう。由梨最後までよろしくね。あ、あとお願いなんだけどタクシーで帰るらしいからさー。あの人強がるけど寂しがりやだから乗り場まではついててあげて?」
あ、わかりました。と返事をする声はシューンと落ちていて多分騒いだ事を後悔しているのだろう
なんだ。こいつ面白いじゃん
「あー。そうそう。あとさ、飲みに行こうよ。今度。色々聞きたいし。由梨に空いてる日連絡しといて?」
そう言うと、えっ?…あ、はい。ありがとうございます。と何故かお礼を言う輝にフフッと笑い返し、由梨に代わって。と言った
「うるさいね。輝。…今度飲みに行く約束しちゃった」
そうですか。とさらっと返事してくるあたりやっぱり由梨でちょっと笑いそうになりながらも、気をつけて帰んなさいよ。と言い電話を切った。
そして早々に家に帰りキッチンに立った。
いつもは由梨が作ってくれる。
たまには俺が作るかと冷蔵庫を漁る