第6章 2人の距離 6
「いやさ、自分と両想いでさ、今までは相手も好きだって伝えてくれたのにそれがだんだんなくなって俺の事怖いって思われたらって。それに気づいちゃったらって思うと背筋凍るよね」
「それでもさ、一緒に居るなんて言われたら如何にかなっちゃうかもね。……まあ、俺はそしたら自分から居なくなるけど。」
実際想像してゾッとした
由梨はそういう優しさがあるから。
きっと何時迄も一緒に居てくれるだろう。
例え俺が暴力に出たとしても
でもそこには既に一方通行の想いしかなくて
由梨の中には俺が居ないようなもんになるって事で
きっと彼も気づいてたんだろうな。
由梨の中に自分が居ないって。
だから確かめたくてそういう事しちゃったんだと思う。
もちろんやってはいけない行為だけど。
「……ダメですよ」
ボーッと考えていたら急にそんな事を言われ、え?と由梨を見た
「居なくなったら困ります。もう和さんは私の中では生活の一部なんです」
そんな事を笑って言うのでつられてフフッと笑った
「一家に一台?」
ふざけて言うと、二宮和也。と即答する由梨にクフフッ。と吹き出す
それから暫くしての楽屋。
マネージャーが記者会見の日程の確認をしてきた。
「………で、大丈夫だよね?……あれ?聞いてます?」
反応のない俺を心配してそう言うマネージャーに、あ、あぁ。大丈夫。と返事した
マネージャーに言われて気づいてしまった。
記者会見まで後数日な事を
無言でヘアメイクをされてると楓ちゃんが心配そうに聞いてくる
「ニノちゃん。……まさか、ふ、振られた?」
そんな事を言うので背後のソファに座ってるおじさんが変顔ばりに驚いているのを鏡越しで見えてしまい吹き出した。
「いやいや。それはまずないから安心してよ。」
笑いが治らないながらもそう言うと、そうよね!と安堵する楓ちゃん
そう。
安心してくれ。
まだ言ってもいないからさ
その日はいつも通りの収録で終盤に差し掛かる頃の休憩中に由梨から連絡があった
ん〜?どうした?と言うと今日は帰れるのか聞いてくるので、あとちょいかな。巻ければ。と言う