第6章 2人の距離 6
「あれですね。…ここのところ和さんと一緒に眠れていたからちょっと寂しくなっちゃいました」
ぎゅっと抱きつきながらそう言う由梨
頭をポンポンとするとまたちょっとぎゅっと力を入れる
多分。
俺と由梨は似ているんだと思う
寂しがりやで、甘えたくて。
誰かと関わる事で安心している。
でも普段外に出るのは苦手で。
家が好きで。
干渉されすぎるのもちょっと違っていて。
由梨は俺のスケジュールを事前に聞いてこないし俺も言わないし聞かない。
当然由梨も自分のスケジュールを事前に言ったりしてこない。
このお互いの距離感が好きだったりする。
「俺もさ、あっち帰っちゃうと。もう何か違うんだよね。」
こっちに居すぎて。と言うとフフッと笑う由梨
「由梨っていう抱き枕が向こうにもいればなー。話が変わってくんだけど。まぁそうも易々と由梨は一体も二体も見つけられないんですけど」
ふざけて言うと、アハッ。と吹き出す
「私は和さんが二体も居たら困っちゃいます。どっち向いて寝たら良いんですか。」
クフフッと思わず吹き出すと一緒になってクスクス笑ってる由梨
突っ込みたいとこも無いわけじゃないけど。
まぁ可愛いから今回はスルーしてあげた。
どうしてもキスしたくて上を向かせた。
そしてゆっくり顔を近づけると目を瞑るのでフッと笑いながらキスするとキュッと回している背中の服を握る由梨
触れては離し。
離れては触れ。
そうやってくると欲しくて、欲しくて。堪んない。
もうこれ以上は無理。と思い、おしまーい。と言って背を向けた。
えぇー。と小さく呟き背中にくっついてお腹に手を回してくるので手をぎゅっと握ってずっと考えていた事を話した
「俺さ、ちょっとわかっちゃうんだよね。由梨の元カレの気持ち」
無言になっているとこを見ると多分意味が分かってないと思う。
クルッと仰向けになり天井を見つめながら続ける